第1回「プーチン氏ぶち切れた」見過ごしたブッシュ政権 進言相次いだのに
ワシントン=高野遼
インタビュー中、あるベテラン外交官が後悔交じりの言葉を漏らした。
「あのとき、米国はロシアへの態度を変えるべきでした。我々はプーチン大統領の言葉を真剣に受け止めず、間違いを犯してしまったのです」
率直な悔恨の言葉に、私は思わずペンを止めた。
「そう。我々は、プーチン氏がのちに侵略者になると気づくのが遅すぎたのです」
この言葉をきっかけにして…
- 【視点】
世界には悪い人はいる、残念なことは起きる。そんな事実を知りながらも、自分においては、大丈夫。きっと悪いことが起きないだろう・・・。そう考える傾向は心理学用語でいうoptimism bias(楽観バイアス)という。 ブッシュ(子)大統領
- 【視点】
かつて要職にいて、大統領や副大統領に進言する立場にいた人が、しっかり回顧録を残す。その中で自省的な振り返りがなされ、取材にも応じて語る――そういうことができるところに、アメリカの本当に強さがあるんだな、と改めて思う。 「ウラジーミル、