下関国際・賀谷、汚名返上の決勝打 「弱者が強者に勝つ野球」を実行

清水優志
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(18日、第104回全国高校野球選手権大会準々決勝 大阪桐蔭4-5下関国際)

 甲子園は手拍子が鳴り響く、異様な雰囲気に包まれていた。

 1点を追う九回、連打と犠打でつくった1死二、三塁の好機。4番として下関国際の賀谷勇斗は打席に入った。「どういう形でも1点を返す」。3球目の甘く入った直球を強く振ってたたきつけた。打球は中前へ。2人の走者がかえり、決勝の逆転適時打となった。一塁上で、興奮と安堵(あんど)が交じった表情で沸き立つベンチに視線を送った。

 「汚名返上」の機会をうかがっていた。

 同点に追いついた直後の五回の守り。2死一、二塁から高々と上がった内野フライ。捕球はお手のものの一塁手なのに「一度、目を切ってしまった」と落球した。適時失策となり、再び勝ち越しを許した。

 自分を責めたが、「最後にお前のところにチャンスで回す」と仲間から声をかけられ、気持ちが切り替えられた。相手は優勝候補との呼び声も高い大阪桐蔭。「弱者が強者に勝つ野球」を信条とする坂原秀尚監督の指導を受けたチームに気負いはない。先行を許しながらも流れを渡さず、全員野球で食い下がった。土壇場で迎えた好機でこれ以上無いリベンジを果たした。好きな言葉は「感謝」という主軸は、かみ締めるように振り返った。「仲間に助けられてきたので、最後に(結果を)出せてよかった」

 今春の選抜王者、大阪桐蔭を下して学校初の4強入り。常に目標に掲げてきた第100回(2018年)での8強を上回った。「先輩方がつくってきた下関国際の野球をしっかり披露したい」。目標のその先へ駆け上がる準備はできている。(清水優志)