ひょっとして転覆?無人の水上バイク 小学生らは風上に目をこらした

田中章博
[PR]

 海で漂流していた水上バイクを見つけ、乗員3人を救助したとして、小学生と幼稚園児の兄弟ら4人が、関西空港海上保安航空基地から感謝状を贈られた。兄弟は海上に漂う人影を見つけるお手柄で、迅速な救助につながった。

 10日に感謝状を贈られたのは、大阪府松原市の会社社長池見孝二さん(34)、長男で小学4年の樹(たつき)さん(9)、次男で幼稚園児の陽樹(ひびき)さん(4)、友人で松原市の会社員伊藤淳児さん(34)。

 同基地によると、7月10日午後3時10分ごろ、岬町の沖合約1キロの海上で、ボートを運転していた池見さんが、無人で漂う水上バイクを発見。転覆なのか遊泳しているのか分からなかったが、118番通報した。

 その後、「おーい」と助けを求める声が聞こえた。樹さんと伊藤さんが風上側を捜すと、波間に漂う黒い影を見つけた。視力のいい樹さんと伊藤さんでも、「人かブイかすぐにはわからなかった」。ボートを近づけると、水上バイクに乗っていた男性と分かった。

 男性をボートに引き揚げたあと、陽樹さんも一緒にさらに捜すと、漂っていた同乗者2人が見つかった。

 水上バイクの3人は救命胴衣を着用していたが、1人は足が不自由で、波風を受けて海に落ちて40分ほど漂流していた。救助後の基地の聞き取りに対し、3人は「あのまま漂流していたら助からないと思っていた」と話していたという。いずれもけがはなかった。

 池見さんらは和歌山市の友ケ島付近で釣りを楽しみ、関空マリーナ(大阪府泉佐野市)に戻る途中だった。「自分も水上バイクで怖い思いをしたことがある。気になって引き返してよかった」と池見さん。樹さんは「命を助けられてよかった。でも、海の怖さも分かった」と振り返った。

 基地の担当者は「子どもたちも耳をすませて、的確な救助につなげてくれた」と4人をたたえた。(田中章博)