第3回寝たきりの子どもを成人まで介護 すでに助け合い社会だった縄文
世界遺産 縄文遺跡をゆく③ 入江貝塚・高砂貝塚
入江貝塚と高砂貝塚はJR洞爺駅から徒歩15分。内浦湾を望む小高い丘の上にある。数百メートルしか離れていないので、一緒に見学するのがおすすめだ。
記者は、北黄金貝塚(伊達市)の見学後、貝塚公園前から50分ほどバスに乗って訪れた。
最初に、南東側にある入江貝塚を訪ねる。現場はこぢんまりした遺跡公園になっており、建築途中と見まごう骨組みだけの住居や復元された竪穴住居、出土した貝層の断面などを観察できる施設がある。
入江貝塚が見つかったのは1942年。道路工事をしている際に、現在、A貝塚と呼ばれる貝塚の一部が出土した。8年後の50年に伊達高校の郷土研究部によって初の発掘調査が行われ、A・B・Cの三つの貝塚と竪穴住居が確認された。その後、54年、66~67年にも発掘調査が実施された。中でも66年からの札幌医科大学の調査では、貝塚に墓が作られ、そこに人が葬られていることが明らかになった。
この遺跡で有名なのが、67年の調査の際に見つかった、手足の骨が極端に細くなった人骨である。DNAなどから成人の男性と推定され、ポリオ(小児まひ)ないしは、筋ジストロフィーに罹患(りかん)していた可能性が指摘されている。
この男性はいずれかの病気の…
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