アフガンの女子教育、なぜ禁止?タリバン幹部が明かす「地方の事情」

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カブール=石原孝
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 イスラム主義勢力タリバンが昨年8月に復権したアフガニスタンでは、中高生にあたる年次の少女の通学が認められていない。経済の落ち込みで生活が苦しくなり、物乞いや児童婚を強いられている子もいる。国の未来を担う子供たちに、混乱のしわ寄せが向かっていいのか。国連アフガニスタン支援団代表代行と、タリバン暫定政権の教育省幹部に聞いた。(カブール=石原孝

国連アフガニスタン支援団 マルクス・ポッツェル代表代行(政治担当)

 ――タリバン復権後の状況をどう見ますか?

 アフガニスタンの多くの人々にとって、信じられないほど困難な1年だった。人々は貧困に苦しみ、飢餓にも見舞われている。人口の半分近い約2千万人が人道支援に頼っている。人々が生き延びるのを助けることが、我々の最も重要な責務の一つだ。

 ――国連はタリバン暫定政権に、女子中高生の通学再開を求めていますね。

 会談したタリバン幹部の中に、女子教育に反対する人はいなかった。(通学を認めない)決定を下しているのは一握りの人間だ。タリバンは内部の結束を優先しているのだろう。

 教育は女子だけでなく社会にとっても重要だ。進学できなければ女性は医者にも警官にもなれない。性別や宗教、民族的背景に関係なく、誰もが教育を受ける権利を持っている。

 ――タリバンは女性の就労や遠出も制限しています。

 社会における女性の役割を縮小させ、女性を(家の中に)閉じ込めようとしている。これは大きな間違いだ。社会の安定を阻害するものであり、女性の就労を認めなければ、国内総生産(GDP)も最大で5%失うことになる。

 ――タリバン支配下では旧政権のような汚職はなくなったのでしょうか?

 旧政権時代に多額の国際支援…

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    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・国連職員)
    2022年8月22日1時40分 投稿
    【視点】

    復権から1年。飢餓と人権剥奪に苦しむアフガン国民の「信じられないほど困難」を、タリバン政権幹部はどれほど理解しているのでしょうか。 女子中高等教育に関するタリバン内の中央と地方リーダーとの意見の食い違いをきちんと認めているインタビュー

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2022年8月20日12時21分 投稿
    【視点】

    組織政党による統治ではないという意味で、日本政治と似ている面があると思った。 この談話からうかがえるのは、「タリバン」といっても、実体は各地の小集団の連合体だということだ。トップが決定すれば、あるいは正規の決定プロセスを踏めば、全員が