宗教2世の子どもは置き去り? 政府会合に厚労省不参加で疑問の声

久永隆一
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 「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の問題をめぐり、政府の関係省庁連絡会議に厚生労働省が参加していないことに疑問が投げかけられている。19日の衆院厚生労働委員会でも質疑で取り上げられた。信者の親を持つ「宗教2世」が進学機会を奪われるケースもあるとされ、専門家は同省が所管する子ども分野で対応する必要性も指摘している。

 この日の衆院厚労委では、立憲民主党山井和則氏が宗教2世について、「進学を妨げられる被害も起きている。子どもの被害相談を受ける窓口が必要だ。なぜ、(子どもを所管する)厚労省は(会議に)呼ばれていないのか」と質問。これに対し、加藤勝信厚労相は「どういう経緯でそうなっているのか確認して対応を考えたい」と答えるにとどめた。

 政府は18日、旧統一教会による悪質商法の相談や被害救済のため、法務省消費者庁などによる関係省庁連絡会議の初会合を開催。だが、厚生労働省や文部科学省は参加しなかった。

子どもの二次被害に目を向けて

 日本大学の末冨芳教授(子ども政策)はこうした状況を「親の信仰で子どもに生じる二次的被害に、政府の目がまだ向いていない。『こどもまんなか』という政府自身がうたう視点が欠落している。このままでは子どもの権利や利益が置き去りになる」とみる。

 また、旧統一教会に限らず、親の信仰により教育機会が奪われたり、友達付き合いを禁止されたり、断食を強いられたりといったことが起きているとし、「子ども自身は親の信仰にまつわる相談をどこにしていいか知らない。相談していいことだと子どもに周知すること、さらに相談支援体制を充実させることも必要だ」と指摘する。(久永隆一)

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    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2022年8月19日17時21分 投稿
    【視点】

    呼ばれていない厚労省に聞いても仕方ない話なのだが、閉会中審査が開かれたのが厚労委だから厚労大臣に質問したのだろう。官邸のチョンボと言ってよいだろう。何か対策をやっている形にしないと政治的に持たないから立ち上げただけで、誰も真剣に考えていない