米大統領でも止められない 下院議長の力とは 議会研究者に聞く

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ワシントン=清宮涼
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 米国のペロシ下院議長の台湾訪問では、バイデン政権は中国との関係悪化を懸念しながらも、ペロシ氏を止められなかったことがわかってきています。米議会はなぜ、台湾支援を強めているのか。なぜ、大統領でも下院議長を止めることはできないのか。議会と政府の関係に詳しい米ジョージタウン大学政務研究所のジョシュア・フーダー上級研究員に聞きました。

 ――米国における下院議長の存在は、日本の衆参両院の議長とは大きく異なるようです。米国ではなぜ、下院議長が大きな力を持つのでしょうか。

 米国の大統領制のもとではとても厳密な三権の分立があり、下院議長は立法府で最も力のある人物です。下院でどの法案を採決するか、上院や政府とどう交渉するか、といったことに非常に大きな力を持ちます。

 下院議長は、大統領の継承順位が副大統領に次ぐ2位です。(日本のような)議院内閣制でいえば、下院議長は首相のような立法の権力を持ちながら、首相のような行政の権力は持っていない、といった存在といえます。

 上院議長は副大統領が兼ねますが、立法上の権限はあまり与えられていません。議会が行政府の介入を望まないためです。そのため上院では民主党のチャック・シューマー院内総務が最も力のある存在ですが、ペロシ下院議長には及びません。

 米国の制度では、意図的に三権のそれぞれの役割を弱くし、他の機関に依存する形になっています。

 ――米大統領は、下院議長と良い関係を築く必要があるということでしょうか。

 大統領が何かを成し遂げたけ…

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