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第10回人間の脚を野犬がくわえ…放置される多数の遺体、集めて弔った男性

有料記事ウクライナ情勢ブチャ=金成隆一
多数の市民がロシア軍に殺されたブチャで、遺体の埋葬に携わったセルヒー・カプリチニさん=2022年8月4日、ウクライナ・ブチャ、関田航撮影

【証言⑩】ブチャ市役所職員のセルヒー・カプリチニさん 「私の感情は停止していた」

 ロシア軍の4月の撤退直後、キーウ近郊ブチャのヤブロンスカ通りの映像が世界に衝撃を与えた。

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 路上に放置された数々の遺体が映し出されていたからだ。

 これらの遺体を路上から安置所に運び込む現場班を率いたのが、ブチャ市役所の職員セルヒー・カプリチニさんだ。

カプリチニさんは「死の通り」の遺体を回収後、民間人が処刑されたとみられている場所も回った。解放後の1週間に集められた遺体は約200という。

 ロシア軍のウクライナ侵攻前は、どこの自治体の役場にもあるように、遺体の埋葬許可を出す仕事に就いていた。デスクワークが多い仕事だった。

 それが2月24日を境に激変した。

 ロシア軍の占領下では、安置所からあふれる遺体を仮埋葬した。

 ロシア軍の撤退後は、街中に放置されていた民間人の遺体を回収した。

 その数、解放後の1週間で約200という。

 彼に、ブチャ解放後の話から振り返ってもらった。

【プレミアムA】「死の通り」 ブチャ 生存者の証言

ロシアによるウクライナ侵攻から半年が過ぎました。大量虐殺の悲劇に見舞われた街ブチャに「死の通り」と呼ばれる場所があります。生存者が語るロシア占領下の「絶望の1カ月」とは。金成隆一記者が住民の証言を丹念に集めました。臨場感のある写真や映像とともに伝えます。

 ■ロシア軍の撤退後、現場班…

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連載首都攻防 ウクライナ侵攻生存者の証言(全14回)

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