日野自動車、別のエンジンでも不正 国内向け全車種の出荷停止に

千葉卓朗
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 トラック大手の日野自動車は22日、エンジンの排ガスや燃費の性能を偽っていた問題で、小型トラック用のエンジンでも排ガス試験で不正があったと発表した。日野に立ち入り調査した国土交通省が見つけた。日野は、このエンジンを搭載した小型トラックの出荷を停止した。すでに出荷を止めている大・中型トラックを含め、日野製エンジンを積んだ国内向けの全車種に出荷停止が広がる事態となった。

 日野の小木曽聡社長がこの日、記者会見を開いて明らかにした。不正対象車両はこれまでの約57万台から約64万台に拡大した。

 不正があったのは小型トラック「日野デュトロ」に搭載する小型エンジン。排ガス性能の耐久試験で、排ガス測定を2回しなければならないところで1回しか測定せずにデータを算出し、国交省に提出していたという。この不正の対象のエンジンは、今年7月末時点で7万6694台にのぼる。

 同社はデュトロのうち、同社製エンジンを積む車種の出荷を止めた。この車種は2021年度は国内で年約2万7千台が売れた。トヨタ自動車製のエンジンを積む車種などは出荷を続ける。

 同社は今月2日、エンジン不正ついて、大・中型エンジン現行12機種で不正があったと公表したが、今回の小型エンジンの不正は発表していなかった。外部調査委員会による調査(8月2日公表)で発見できず、国交省の指摘で不正が判明したことについて、小木曽社長は記者会見で「重大で深刻であり、弁解の余地はない」と陳謝した。(千葉卓朗)

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