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コロナの入院基準を厳しくした東京都 それでも病床が逼迫する理由

有料記事新型コロナウイルス

関口佳代子 熊井洋美
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 新型コロナの病床使用率が、東京都内で第6波のピークと同水準まで高まっている。都は、病床の逼迫(ひっぱく)を避けようと入院基準を従来より厳しくしているが、関係者によると、基準に合わない軽症者の入院例が少なくないという。また、入院を意図して制限する病院もあり、感染拡大の収束が見通せない中、医療提供体制がまたも限界に達している。

 「優先度に基づく入院調整にご協力くださいますようお願いします」。都は7月14日、コロナ感染者の入院先を決めている都内の保健所に事務連絡を出した。持病や重症化リスクがなければ、酸素投与が必要なほど症状が重い「中等症Ⅱ」以上に限るという入院基準について念を押す内容だ。

 基準は、入院できず亡くなる人が相次いだ昨夏の第5波を教訓に、第6波の時に出された。感染力が強いとされるオミクロン株の亜系統「BA.5」の急拡大を見込み、都が7月12日に厳格適用の方針を打ち出した。予想通り、同下旬には1日あたりの新規感染者数が4万人超に。重症者数は少ないものの、入院者数は今月20日に最多を更新する4459人に。病床使用率は同日、第6波の最高と同じ59・9%となった。

 現状について複数の都幹部は「必要な人は入院できている」、都医師会の幹部は「入院で良くなる人は入院させている」と説明する。治療するべき重症患者は受け入れているが、別の重い疾病で回復の見込みが低い患者の場合、他の患者の入院を優先する場合もあるという。「現場は毎日、非常に厳しい判断を迫られている」と話す。

 7月28日、末期がんを患っ…

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