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避妊リングで得た「自己決定権」 上間陽子さん語る沖縄少女らの現実

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聞き手・岡田玄
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 本土とは異なる歴史と風土をもつ沖縄には、本土からさまざまなイメージが投影されてきた。「支え合う地域共同体」や「たくましく子育てする女性」もそうしたものの一つだ。こうしたイメージは幻想ではないのか。沖縄の少女たちについて調査を続ける上間陽子・琉球大教授に聞いた。

     ◇

 ――本土で思い描かれる沖縄の姿と現実の間には、「幻想」とも言えるギャップがあると感じます。女性や子どもをめぐる状況については、どうですか。

 「沖縄に観光で来た方は、子どもにやさしい島だと感じると思います。沖縄の人は、子どもが騒がしいのは当たり前という受け止め方をしている。出生率は全国一で、子どもや育児中の人の数が多いからでしょう」

 「でも、観光で遊びにきたことと暮らすのとでは、やっぱり違う。沖縄の県民所得は全国でも最低水準で、貧困が問題となっていますが、学童保育や補助金などの子育て環境が整っていません。それなのに、なぜ、子だくさんなのか。米軍統治時代に適切なバースコントロールができなかった影響があります」

 ――沖縄の文化や伝統的な考えの影響が強いというわけではないのですか。

 「せざるをえないからやっていることは、容易に文化問題にスライドされますよね。そうした話法があふれていますが、注意深くみないといけないと思います」

 「確かに、子だくさんの背景には、男を大事にするという文化の影響もあります。位牌(いはい)の継承者は長男で、男の子のいない家庭では親族の男の子に継承させるようなこともやる。男の子を尊ぶ文化があって、産み続ける。都市部では、こうした文化はなくなっていますが、農村や漁村では今もこうした考えが残っています」

 「しかし、本土もかつては子だくさんでした。それが、戦後に当時の保健婦を通じて家族計画が進められ、女性が避妊法も手にできました」

米占領下の「ヤミ中絶」

 「一方、米占領下の沖縄では…

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    座安あきの
    (ジャーナリスト・コンサルタント)
    2022年8月30日17時39分 投稿
    【視点】

    これまで「いかにも沖縄らしい」とただ素通りされ、蓋をされ、見過ごされてきたような現象が、社会的、歴史的、構造的な「課題」として可視化されてきたことに、上間陽子さんの存在と取り組みが大きく貢献していると感じています。上間さんによる、沖縄の性風