スタバも「国産化」するロシア、制裁の効果薄い? 長期的には破壊的

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和気真也=ロンドン 細見るい
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 ロシアのウクライナ侵攻開始後、西側諸国はロシアに厳しい経済制裁を幾重にも科して停戦圧力を加えてきた。経済的に孤立を深める一方で、プーチン政権はソ連時代のような「自給自足」の経済を探って市民生活への影響を抑えようとしており、欧米が期待した成果が上がっているとは言いがたい。

 ロシアから撤退した米スターバックスの資産を買収したロシア資本の「スターズ・コーヒー」の1号店が18日、モスクワ中心部にオープンした。店のロゴはスタバそっくり。カップに名前を書くなどサービスもスタバそのままだ。

 本格的に営業を始めた19日には店の外に行列ができ、期待の高さをうかがわせた。店員は「やっと開店できてうれしい」と満面の笑みで接客していた。年内に旧スタバの130店舗を再開させ、約2千人の雇用の多くが継続する見通しだ。

 ウクライナ侵攻後、欧米や日本など西側諸国は、ロシアの中央銀行が国外に預けた資金の凍結や、プーチン政権に近い新興財閥(オリガルヒ)と呼ばれる実業家の資産の差し押さえなどの制裁を次々に敢行した。

 中でも注目されたのが、ロシアの主要銀行を事実上、国際的な決済ができなくするため「国際銀行間通信協会(SWIFT〈スイフト〉)」のシステムから排除する制裁措置だ。ロシア側とのビジネスを難しくする象徴的な制裁で、1千を超える欧米や日本などの大手企業が事業の停止や撤退を決める一因となった。

 ロシアの企業活動や市民生活に支障が出れば、戦争を始めたプーチン政権への不満がロシア国内でも高まり、停戦圧力になる――。制裁を主導する欧米政府の最大の狙いだった。

 ただ、モスクワの市民生活には現状、そこまでの混乱は表れていない。

 スターバックスと同じように…

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