ロシアが侵攻したウクライナでは、半年がたっても出口の見えない戦闘が続く。ここにきて、ロシアが8年前に併合したクリミア半島で爆発事件が続き、南部ではウクライナの攻勢も目立ち始めた。ただ、戦況の行き詰まりは変わっていない。ロシアは長期戦に持ち込む構えだ。(喜田尚、ワシントン=下司佳代子、ベルリン=野島淳)
8月に入り、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島で「謎」の攻撃が相次いでいる。衝撃的だったのは、北部ジャンコイから南東15キロのマイスケ村で16日早朝に起きたロシア軍の武器弾薬庫の大規模爆発だ。
発生は午前6時過ぎ。住民撮影のビデオ映像では轟音(ごうおん)とともにオレンジ色の炎と黒煙が立ち上り、その下で何度も連鎖的に爆発が起きたのが確認された。ロシア支配下の「クリミア共和国」首長アクショノフ氏によると、爆発は数時間続いた。住民2人が負傷。周辺3千人が避難する騒ぎになった。
クリミアは、2014年にウクライナで親ロ路線の政権が倒れたことに反発したロシアが制圧・併合した「ウクライナ危機の震源地」だ。それ以来、ロシアは軍事拠点化を進め、今年2月に始まったウクライナへの全面侵攻では、占領地への兵器、人員の補給基地になった。
異変が始まったのは、ロシア…

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