増える出産費用、その理由は 東大研究者が出した結論

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村井隼人
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 出産した人に原則42万円が支給される「出産育児一時金」が、来年度から引き上げられる見通しとなりました。出産費用が年々上昇し、一時金では賄えない差額分が、妊婦の重い経済的負担となっているためです。「子どもを持ちたいとは思わない」。そんな声が上がるほど、出産費用はなぜ上昇しているのでしょうか。

一時金より高い出産費用

 出産育児一時金は健康保険や国民健康保険などの公的医療保険に加入する人が出産したとき、子ども1人あたり原則42万円が支給される。1994年に導入された制度で、当初は30万円だった。それが出産費用の上昇にあわせる形で段階的に引き上げられ、現在は原則42万円(産科医療補償制度の掛け金1万2千円含む)となっている。

 妊婦側は実際にかかった出産費用からこの一時金を差し引いた額を支払う。出産費用が一時金を下回った場合は差額を受け取ることができる。たとえば、実際にかかった出産費が40万円なら、浮いた2万円を受け取れるという具合だ。

出産費用が高額化し、数十万円の自己負担が生じる場合もあります。ただ出産費用がなぜ高額化しているのかについてはっきりとした原因はわかっていませんでした。記事の後半では厚労省の実態調査を担当した東大の研究者が「出産費用が高額化するしくみ」を解説します。

 そもそも出産費用は「病気や…

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    末冨芳
    (日本大学文理学部教授)
    2022年8月31日7時22分 投稿
    【提案】

    妊婦検診を含む出産の無償化、超少子化の日本では急ぎ実現されなくてはならないのですが、その壁が「なぜ出産費用は値上がりするのか」が見えないことでした。 田倉特任教授の分析は、超少子化の中で妊婦の産科医の奪い合いにより、安価に出産できる産