「見たかった光景」に喜びと興奮 「新しい地図」の3人も観戦

辻隆徳
[PR]

 1年前に足りなかった“熱気”が会場を包んだ。

 ガシッ。ドンッ。

 車いす同士がぶつかる迫力あるプレーに、観客からは自然と驚きの声が上がる。角度のある難しいゴールが決まると、観客は大きな拍手や手拍子で選手たちを後押しした。

 東京パラリンピック開幕から1年を迎えた24日、東京・有明アリーナで、男女の車いすバスケットボールのエキシビションマッチが開かれた。

 日本女子はスペイン代表と対戦。試合は47―60で敗れたが、主将の北田千尋は「見たかった光景でバスケができて、すごく気持ちよかった」と頰を緩めた。スペイン代表のサラ・レブエルタガルシアも「特別な気持ちを感じている」と喜んだ。

 1年前の東京パラは新型コロナウイルスの影響で無観客で開催された。応援する側は間近でパラアスリートの活躍を見る機会が失われ、選手側にとっても少し寂しい大会だった。

 日本男子は東京大会で、史上初の銀メダルを獲得し、注目を集めた。得点を量産した鳥海連志は「1年前にかなわなかった、みなさんに見てもらいながらバスケをするというのを実現できたのがなによりうれしい」と話したうえで、「日本代表はこの日のために頑張ってきたんだと思います」と続けた。

 この日は、記念イベントとして、パラアスリートを応援する著名人らも多く駆けつけた。

 東京大会でメダルプレゼンターを担った「新しい地図」の稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんも参加。稲垣さんは水泳の男子100メートル平泳ぎ(知的障害)の山口尚秀、草彅さんはボッチャ個人の杉村英孝にそれぞれ金メダルを授与したことを振り返り、「すごくいい思い出になった」と話した。香取さんは「パラスポーツを見た感動を、1人でも、2人でも『あー、楽しかった』と伝えていただけたらうれしい。それが大きなムーブメントにつながる」と呼びかけた。

 そのほか、パラ応援大使を務める女性アーティスト「Little Glee Monster(リトルグリーモンスター)」の3人が楽曲を披露したり、人気ユーチューバーの「フィッシャーズ」が車いすバスケに挑戦したりするなど会場を彩った。(辻隆徳)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません