第123回私のミツバチはどこ? ウクライナの養蜂ピンチ 10年育てた巣が…

有料記事ウクライナ情勢

リビウ=森岡みづほ
[PR]

 農業大国のウクライナで、伝統の養蜂業がピンチに立たされている。約40万人が携わり、世界第5位のハチミツ生産量を誇ってきたが、農家の多くが個人経営で、ロシアの侵攻で生産を続けられなくなっている。

 「10年かけて育てた巣箱だった。今は、どうなっているのかわからない」

 ウクライナ北東部ハルキウ州のロシア国境近くで養蜂農家をしていたパブロ・カヌニコフさん(32)は、電話取材にこうつぶやいた。

 10年前、弟と2人の妹と養蜂を始めた。約1千の巣箱を飼い、ハチミツを年に20トン生産し、95%は欧州や米国に輸出していた。蜂を連れてヒマワリ畑などを回り、受粉の手助けをするビジネスもしていた。

 だが、2月24日、侵攻したロシア軍が家の近くまで迫った。国境近くの家から、兄妹で着の身着のままで逃げ出した。巣箱は一つも持ち出せなかった。

 家の付近は今もロシア軍の占領下にあり、手塩にかけた巣箱や蜂がどうなったのかもわからない。「巣箱が無事とは思えない」

地元の知り合いは全員、養蜂をやめた

 現在は知人のいる首都キーウ…

この記事は有料記事です。残り786文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。

  • commentatorHeader
    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2022年8月26日8時12分 投稿
    【視点】

    記事ではウクライナのはちみつ生産量が世界5位であることが紹介されているが、実は輸出量では2020年に世界2位に躍り出ている(ちなみに1位は中国)。 2020年のデータだが、ウクライナの主なはちみつ輸出先は、ポーランドが26%、ドイツが19

連載ウクライナ危機 市民は今(全150回)

この連載の一覧を見る