法隆寺のお堂は誰が建てた? 太子慕って再建、世界最古の木造建築
筒井次郎
法隆寺(奈良県斑鳩町)の今あるお堂は、聖徳太子が建てたと思っていたら、違ったようだ。今月刊行された「新修 斑鳩町史 上巻」にこう書かれている。
《(再建で)法隆寺は、同じ名称ではあっても、聖徳太子の建てた寺から、聖徳太子のための寺に変化したのである》
どういうことなのか。寺を訪ね、文化財に詳しい平田政彦・斑鳩町教委生涯学習課参事(57)に聞いた。
「創建は間違いなく聖徳太子ですが、目の前にある建物は、飛鳥時代の670年代から奈良時代にかけてできたと考えられています」
太子が没したのは622年。実は太子が建てた法隆寺は「若草伽藍(がらん)」と呼ばれ、境内南側の跡地に塔心礎(とうしんそ、塔の心柱の礎石)が残る。通常は非公開。今年は、7月に寺が開いた公開講座「法隆寺夏季大学」で見学できた。
日本書紀には、法隆寺は67…