「サイケの女王」は「少数民族」? コシノジュンコが語る初訪中

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 世界で活躍するファッションデザイナーのコシノジュンコさんが、日中国交正常化から9月で50年となるのを前に朝日新聞のインタビューに応じた。初めて中国を訪れたのは44年前。まだ改革開放前だった中国の街は「色がないのも同然」と映ったが、その後、深い縁ができることになった。

 コシノさんは1978年、パリコレへデビューするに当たって着想を広げようと訪中を決意した。「サイケの女王」と呼ばれたファッションを身にまとったコシノさんが降り立った上海の空港は、「トタン屋根の田舎の駅みたい」。街は「黒、グレー、人民服のカーキ、ベージュ、それに茶色」ばかりだったという。

 当時、コシノさんはショートヘア、同行した夫は長髪。中国の常識からするとあべこべで、入管では「日本の少数民族か?」と聞かれる一幕まであった。

 その7年後、外国人デザイナーとして初めて大規模なファッションショーを北京で実現した。首都とはいえ、当時の中国は電力不足で、日本から持ち込んだ照明器具に電気を通すのに10時間もかかったという。身長170センチ以上と条件を設けたモデルを、女性の兵士やバス運転士からもかき集めての開催だった。

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