パリでも人気 1300年の小川和紙 次世代に技術どう引き継ぐ?

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小林未来
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現場へ! あついぞ! 埼玉⑤

 埼玉の和紙を表紙に使ったノートがパリで売られていると聞き、ネットで買ってみた。サラサラ、シャッシャッ。自分の字がうまくなった気がする。

 ノートの名はUKIE。考案者は、和紙やつむぎといった日本の伝統文化を世界に紹介する事業を手がける川口洋一郎さん(47)。文具好きで、ノートにもこだわっていたところ、「感性が刺激される書きごたえがある」と和紙に心を奪われた。

 各地の和紙の手触りや色などを比べ、表紙には埼玉県小川町で作られた木目柄の和紙を採用した。和紙のもつナチュラルな雰囲気は、パリでも人気が高いという。

 小川の和紙には約1300年の歴史がある。大陸から伝わったとされる技術が県北西部に根付き、発達した。

 和紙には主にコウゾという植物が使われる。外皮をはぎ、内側を煮て、不純物を除き、たたいて繊維をほぐす。これをトロロアオイという植物の根から抽出した粘り気のある成分「ねり」とともに水の中で混ぜたものが、原料の液になる。

 2014年には、小川和紙のなかでも特に伝統的な製法を守り、江戸時代の色合いや質感を保つ「細川紙」を作る技術が、ユネスコ無形文化遺産に登録された。丈夫で毛羽立ちにくく、水に強いため、江戸時代には商人の帳簿として重宝され、小川町周辺は一大産地になった。現在は版画・絵画や古文書の修復などにも珍重されている。県内文化の登録は初めてで、地元は大いに沸いた。

 だが、この技術は、いま岐路に立つ。技術の伝承や原料の入手が難しくなっているからだ。研修生が和紙づくりを学んでいるという小川町和紙体験学習センターを訪れた。

 7月末の猛暑の中、見習い3…

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