第3回「親中」拡散の夫婦は「中国で研修」 ネット部隊?自宅を直撃すると
花蓮〈台湾東部〉=石田耕一郎
台湾東部・花蓮の地方裁判所で昨年10月、ひと組の夫婦に有罪判決が下された。罪状は、偽のアカウントを使って大量のフェイクニュースや根拠のない親中的な論評を散布したことだった。裁判所は開廷日を知らせる公式サイトで、夫婦の刑事裁判をこんな風に表現していた。
「台湾の安全保障に関わる案件」――。
なぜ、ネットへの投稿が、安全保障に影響するとみなされるのか。
背景には、台湾社会で、中国政府がフェイクニュースを使った世論工作を展開している、という強い警戒感が広がっている現実がある。夫婦に対する捜査を担ったのも、米連邦捜査局(FBI)に相当する台湾の捜査機関・調査局だった。
フェイクニュースに揺れる島 台湾「情報戦」を追う
台湾では、サイバー攻撃に見舞われ、フェイクニュースが出回ることが半ば日常となっています。台湾側は、中国政府の関与を疑い、統一への抵抗をくじく狙いがあるとみます。「情報戦」とも言える実態へ迫りました。
夫婦は調査局から、中国と協…
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら