学費約3倍 借金340万円 返済20年超 米学生ローン減免の背景
ワシントン=榊原謙
バイデン米政権は24日、連邦学生ローンの借り手を対象にした大規模な救済策を決めた。約4300万人の返済額を減免し、うち約2千万人は借金を帳消しにする。米国では重い学生ローンの負担が社会問題になっており、バイデン氏は大統領選で負担の軽減を約束していた。公約を果たしたことで、秋の中間選挙に向けたアピール材料になりそうだ。
減免の対象は連邦政府の学生ローンの借り手で、年収12万5千ドル(約1710万円)未満の人ら。米政府は1人あたり1万ドル(137万円)の返済を免除し、一部の低所得層の借り手は減免を2万ドル(274万円)に増額する。米メディアは、教育ローンの一度の減免策としては過去最大規模だと報じている。
1980年に約8千ドル(110万円)だった公立の4年制大学にかかる費用は、直近では2万2千ドル(300万円)以上になった。大学生は卒業時に平均2万5千ドル(340万円)のローンを抱え、返済が20年以上続くことも珍しくない。連邦学生ローンの借り手は4500万人に膨らみ、累積債務残高は1・6兆ドル(220兆円)にのぼっている。
バイデン氏は24日、ツイッ…