いつもの口内炎?実は舌がん 焦って受けた検査、思わぬ落とし穴も
「若くたってがんになる」の4回目は、舌がんと診断された實原和希さん(33)です。
じつはら かずき 1989年生まれ。大学卒業後、損害保険会社を経て、コンサルティング会社役員。妻と0歳の娘1人。舌がんステージ2、経過観察中。
「また口内炎ができてしまった」
鏡を見てそう思いました。2014年10月、当時25歳の私は保険会社に勤めていました。転勤で地元の関東を離れ、佐賀県伊万里市で一人暮らしをしていました。
規則正しい生活はしていたものの、小さいころから知らない間に口内炎ができることが多く、その日も「いつものように舌に口内炎ができてしまっただけ」と考えていました。
普段は数日で治るのに、1カ月経っても、2カ月経っても治りません。ちょうど下の右奥歯が当たるところにあったため、痛みもあり、白い口内炎だと思っていたものが少しずつ大きくなっていることも感じていました。
ネットで「口内炎 2カ月 治らない」と検索したところ、「舌がん」という言葉が出てきました。
そのとき初めて、舌にもがんができることを知りました。
さらに画像検索をすると、鏡に映る自分の舌の「デキモノ」と似ている画像が多々ありました。
胸騒ぎがしました。
歯科助手の友人に相談して、彼女が勤める歯科口腔(こうくう)外科への受診を勧められました。
ただ、そこでは結論が出ず、別の市の大きな病院を紹介してもらいました。
そこで診察を受けたところ、「これから胃カメラ、エコー、血液検査、CT、MRI、PET検査を受けてもらいます」と言われました。
PET検査ががんを調べるための検査であることもなんとなく知っていたので、「やっぱりがんなんだな」という気持ちでした。
そうであれば、早くがんだと結論づけて、治療に臨みたかったのですが、それぞれの検査は別の日に。もどかしかったです。
焦りが今後の治療方針に悪影響
最後に受けたのがPET検査でした。これは、治療前にがんがあるのかどのくらい広がっているのか、他の臓器に転移があるのかを調べる大切な検査です。
この検査を焦って受けてしまったことで、大きなミスをしてしまいました。
検査の日は風邪気味で微熱があり、本来であれば検査を受けてはいけない状態でした。
でも、受付の人に「片道1時…