金丸氏銃撃事件後以来、28年ぶり改正 要人警護のルール

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編集委員・吉田伸八
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 安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件は、警察の警護警備の不備が招いた重大な結果だった。再発を防ぐため、警察庁は要人警護の運用を大きく見直し、都道府県警任せの形を改めて警察庁の関与を強化することにした。体制も増強する。9月27日に予定される安倍氏の国葬での警護は、新たな仕組みを適用し実施するという。

 警護は首相や閣僚、元首相らを対象に都道府県警が行っている。従来、警護計画を事前に警察庁に報告するのは首相や外国の要人などの場合に限られていた。これを、すべての警護対象者について警察庁が関わるようにする。

 今後はまず、個々の警護に関係する情報の収集・分析を警察庁と都道府県警の双方で実施。屋内、屋外といった場所、講演や会合などの態様、不特定多数の人の有無などの事項について警護のやり方などの基準を定め、この基準に沿って個々のケースごとに都道府県警が計画案を作成する。この案を警察庁が審査し、必要な修正などを指示。都道府県警は警護の実施後も、今後気をつけるべき点などを警察庁に報告する。

 警察庁はこうした運用の指針を定めた国家公安委員会規則「警護要則」を制定した。従来の要則は1994年に改正されたもので、今回これを廃止し、28年ぶりに新たに定めた。新要則は26日から施行され、警護がある場合、早速新たな仕組みが適用される。警察庁は26日、要則の周知徹底や運用の仕方などを示す通達を都道府県警に出した。

 予定されている国葬には、国内外の多数の要人が招かれるとみられる。警視庁を中心に行う警護では、すべての計画を警察庁に報告。警護の体制も増強し、要人1人につくSPの数も増やすという。

警護変遷、きっかけは金丸元副総裁事件

 警護の方法や体制は変遷してきた。

 変化をもたらした一つの出来事は92年3月に起きた金丸信自民党副総裁に対する銃撃事件だ。栃木県足利市の市民会館ホールで演説を終えたところに右翼団体員の男が近寄り、至近距離から短銃を発砲。弾は演台などに当たった。

 この事件を受け、ゲート式の…

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