外国人技能実習生ら 介護の就労開始から「人員」に算定検討、批判も
介護現場で働く外国人の技能実習生らについて、厚生労働省は、施設側が認めれば就労開始の直後から「人員」に算定できるようルールを見直す検討に入った。26日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で案を示した。ただ、委員からは、「国際貢献」を掲げる技能実習制度などで「介護職員の不足を補うのは本末転倒」などと異論が続出。意見はまとまらず、継続審議となった。
介護で働く外国人の受け入れは現在、経済連携協定(EPA)を結んだ相手国(インドネシア、フィリピン、ベトナム)から来る介護福祉士の候補生▽「介護」で在留資格を得る人▽技能や技術の移転を通じた国際貢献を目的とした技能実習生▽労働力不足に対応するための「特定技能」、という四つの枠が設けられている。
このうち厚労省がルールの見直しを提案したのは、EPAの介護福祉士候補生と、技能実習生についてだ。
この二つの制度で介護人材を受け入れる場合、研修などを受けて現場で働き始めた後、6カ月間を経なければ、介護サービスの提供に必要な「人員配置基準」の人員として算定できないルールになっている。
「人手不足対策ではない」強調も 懸念の声
一方、特定技能などでは、就労開始直後から日本人の介護職員と同様で人員として算入が可能で、同じ介護職でも異なる対応がとられている。
このため厚労省は、技能実習生などについても、就労直後から人員として算定できるようにするルールの見直しを提案。日本人の介護職員と同等とすることで、処遇改善や施設内の均衡待遇の実現などにつながる、と説明した。
ただ、この日の会合では意見が割れた。
介護事業者の団体は、外国人…
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