中国が強硬姿勢で挑んだNPT会議 そこで見えた「レッドライン」

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ニューヨーク=藤原学思
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 核兵器を減らす。核保有国は増やさない。原子力は平和的に使う。その三つを柱とする核不拡散条約(NPT)が守られているか確かめる再検討会議が26日に終わる。成果を文書で示せるか、最終盤まで駆け引きが続いている。

 「選択肢は二つ。決裂するか、最低限の文書を受け入れるかだ」。ある軍縮外交筋は取材にそう語る。「最低限」と表現したのは、最終文書案が「妥協の産物」となっているからだ。NPTには191カ国・地域が加盟し、すべての国の同意を得るのは困難を極める。文書をそぎ落としたり、表現を和らげたりする作業が続いている。

 ロシアがウクライナに侵攻したことで争点はさらに多極化した。核保有国の米ロ英仏中が集う議論の場「P5プロセス」は止まり、水面下で認識をすり合わせる機会もなくなった。また核兵器禁止条約の推進国が核軍縮の必要性をより強く訴えるようになった。

 1970年の発効以来、核戦争のない世界に寄与してきたNPTの重要性は、どの加盟国も認めている。文書案では「核兵器が存在する限り、核のリスクは続く」と強調された。

 だが、目標である「核兵器な…

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