双葉町役場「ただいま」11年半ぶり町内に新庁舎 全町民の避難続く

福地慶太郎
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 東京電力福島第一原発の事故で唯一、全町民の避難が続く福島県双葉町で、新しい役場庁舎の開庁式が27日にあり、伊沢史朗町長や関係大臣らが出席した。役場は事故後、埼玉県加須市いわき市など計4カ所に移転。今月末に避難指示が解除される特定復興再生拠点区域内の新庁舎で来月5日、約11年半ぶりに町内での業務を始める。

 開庁式では、町の発展を願い、伊沢町長が町の特産品「双葉ダルマ」に目入れをした。このダルマは震災後11年半、旧役場の庁舎に保管されていた。町は毎年、仕事始めにダルマの左目を、仕事納めに右目を入れていたが、2011年は仕事納めの目入れができなかったという。今年で結成30年となる町民らの創作和太鼓の団体「標葉(しねは)せんだん太鼓保存会」による記念演奏も披露された。

 式典後、伊沢町長は「震災と原発事故の発生当時はこの日が来ると思っていなかった。多くの支援をいただいた皆さんに感謝の思いでいっぱいだ」と話した。今月末の避難解除については「長い間、町民に苦労をかけ、亡くなった方もいる。その思いを忘れず、職員一丸で復興に取り組む」と述べた。福地慶太郎

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