平和という難問、若者に喝采で希望を託すことに違和感 その正体は?

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高久潤
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特派員メモ@ガザ

 違和感の原因がそのときはわからなかった。6月、ウィーンで開かれた核兵器禁止条約の第1回締約国会議を取材していたときのことだ。ロシアがウクライナへの軍事侵攻で核兵器使用をちらつかせる中、「使う」「つくる」「脅す」のすべてを禁止する条約の締約国代表が集まった会議。ひときわ大きな喝采をあびたのは若者たちのスピーチだった。

 核兵器は未来を保障しない――。市民団体の一人として訴えた、イタリア出身の大学生アリチェ・フィリベルトさん(20)ら。私の取材に彼女は「アラビア語への関心から中東、安全保障、核へと視野が広がっていった。核廃絶しか道はないと確信している」と語った。素晴らしかったが会場の雰囲気に何かがひっかかった。

 8月。ウィーンから2400…

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