衝撃生々しく、今なお尽きぬ謎 高松塚壁画発見から50年でシンポ

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編集委員・中村俊介
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 奈良・高松塚古墳の壁画発見50年で関心が高まる飛鳥時代終末期古墳。奈良県明日香村関西大学によるシンポジウム「終末期古墳と飛鳥の考古学」(朝日新聞社など後援)が7月に東京であり、研究者らが古墳文化最後の輝きと、今なお尽きぬ謎に切り込んだ。

 3世紀から500年近く続いた古墳社会。その最後を飾ったのが7世紀から8世紀初頭にかけての終末期古墳だ。最盛期に比べて規模や数は縮小しつつも、大王クラスには八角墳という独特の形態が採用されて異彩を放つ。当時日本の中枢だった奈良・飛鳥地方は、その密集地である。

 「陵墓の形には理念があり、その変遷で社会背景の解明が可能だ」と、かつて宮内庁の陵墓調査官を務めた福尾正彦・国学院大客員教授はいう。八角墳にも方形の基壇を持つものと持たないものがあり、「社会状況や大王の地位の確立も関係したのではないか」と語った。

 1972年の高松塚古墳発掘…

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