第124回ロシア兵の動き見極め「逃げるなら、今」 多くの命救った村長の電話

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モティジン=野島淳
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 1本の電話が逃げ出すきっかけを与えてくれた。

 「ちょうど、ロシア兵は少し遠くに行った。今が逃げ出すチャンス」

 ウクライナの首都キーウ(キエフ)から西に約40キロにある人口約1千人の村モティジン。今年3月初め、バレリア・モスカレンコさん(33)は、自宅から脱出の機会をうかがっていた。

 ロシア兵が村に現れたのは2月27日。

 いつ、逃げるか。1週間、迷った。

 すでに村民は何人も殺され、隣家では建物や自家用車が銃弾を浴びせられていた。

 電話をくれたのは、村長のオリハ・スヘンコさん(50)だった。

 40分前に電話をかけたときは、「まだ戦闘している。いま逃げるのは無理だ」と言われていた。

 荷物を詰めているとき、折り返しでかかってきたのが、「今がチャンス」という電話だった。

 「分かった。すぐ出る」

 お礼も早々に、モスカレンコさんは夫(39)と8歳、3歳の子どもと一緒に車に乗った。

頼りの綱は村長

 村を出る3本の道のうち、1…

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