日本が知らない中東世界「多層的な顔」 上村政府代表に聞く(下)

有料記事

聞き手・牧野愛博
[PR]

 日本は中東・北アフリカの世界とどう付き合っていけば良いのでしょうか。上村司政府代表(中東和平担当特使)は「中東世界が持つ多層的、多面的な顔を理解することが重要です」と語ります。

 ――中東・北アフリカのイスラム諸国が、自由主義陣営や権威主義陣営に続く、世界の第3勢力になる可能性はありますか。

 この地域には、国ごとの偏りはありますが、化石燃料が豊富に存在し、膨大な国家投資基金を持つ国が多く存在します。スエズ運河やバブルマンデブ海峡、ホルムズ海峡といった世界物流の要衝もあります。比較的若年層が多く、「人口ボーナス」(子どもや高齢者に比べて生産年齢人口が多い状態)が期待できる国ばかりです。湾岸産油国、特にサウジアラビアなどでは指導層が若返り、大胆な国内改革に取り組む国もあります。

中東・北アフリカ諸国の「ポテンシャルが高い」わけは

 外部からは見えにくい点です…

この記事は有料記事です。残り2925文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません