動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」への警戒が欧米を中心に強まっている。アプリでウェブサイトを閲覧する際、利用者の入力情報などを把握できる機能があることを専門家が公表した。パスワードなどをサイトに入力した場合、抜き取られるリスクが考えられるという。運営会社の中国IT企業は機能の存在は認めたが情報収集は否定している。
ティックトックは中国のIT大手「バイトダンス」が運営する人気アプリだ。短い動画を投稿でき日本では2017年にサービスを始めた。若者の間で人気となり全世界で約10億人の利用者がいるとされる。
今回の問題はIT専門家のフェリックス・クラウス氏が8月に公表した。iPhoneなどアップル製品で動くティックトックのアプリが対象だ。サイトを見るために入力した文字などの情報を集める機能が埋め込まれているという。
クラウス氏は、キーボード操作を記録するソフト「キーロガー」を導入するのと同じことだと危険性を指摘する。一方で、ティックトック側に悪意があるかどうかは「断定することはできない」としている。
ティックトック側は声明で収集機能の存在を認めつつ、「キーボードの動きや文字入力情報は収集していない」とした。アプリの改修やトラブル対応といった「パフォーマンスの監視」のためだけに機能を使っていると主張している。
パフォーマンスの監視とは、アプリの動作速度や異常の有無などを確認することだとみられる。利用者の情報収集は「トラッキング」と呼ばれ、一般的にはサイトの閲覧内容に応じた広告表示などのために使われることが多い。インスタグラムやフェイスブックなどほかのアプリでも広く行われている。
専門家「TikTokに限らず利用者は認識を」
日本スマートフォンセキュリ…