午前9時過ぎ、ウクライナ首都のキーウ(キエフ)駅のホームに、青い列車が、ゆっくりと入ってくる。ホームでは花束を持った人たちが、降りてくる乗客を待っている。避難先から戻ってくる妻を待つ夫、一時帰国する家族を迎える男性……。ロシアによるウクライナ侵攻から半年。駅は、再会のドラマにあふれている。

[PR]

 ポーランド南東部の町・プシェミシルから来る列車を待っていたのは、アンドリー・ポリシュクさん(52)。1週間前に娘2人を迎え、この日は、避難先から帰ってくる妻のマリヤさん(47)を待っていた。「娘のときは泣いてしまった。今日は泣かないで迎えられるかな」

 侵攻開始直後にドイツに避難したマリヤさんとは、半年ぶりの再会だ。列車から降りてきたマリヤさんを見つけると、抱き合って喜んだ。その目にはうっすらと涙が浮かんでいた。今、一番したいことを聞くとアンドリーさんは、「妻を抱きしめたい。でもそれは今実現できた。あとのことは、2人でゆっくり考えたい」と話した。

 大きな花束を手に「緊張して…

この記事は有料記事です。残り1278文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

【期間中何度でも15%OFF】朝日新聞モールクーポンプレゼント
  • commentatorHeader
    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2022年9月5日8時3分 投稿
    【視点】

    非常に胸に迫るレポートだ。ウクライナという国は、多々困難を抱えてはいたが、その中で市井の人々は思い思いに普通の日常を営んでいた。ある日突然、その日常が理不尽に引き裂かれたということに、改めて思いを致さざるをえない。 ところで、日本の鉄道に