アルテミス計画のロケット打ち上げ延期 直前にエンジンに問題発生
米航空宇宙局(NASA)は米東部時間29日朝(日本時間29日夜)、フロリダ州のケネディ宇宙センターで予定していた新型ロケット「SLS」の打ち上げを延期すると発表した。打ち上げに向けたカウントダウンの段階で、ロケットのエンジンの一つに問題が生じたためという。
NASAによると、エンジンの温度調整をするガスの流れに問題があり、十分に冷やすことができなかったという。ビル・ネルソン長官は延期が決まった直後に「非常に複雑なシステムの、非常に複雑な問題だ。すべてが機能しなければならず、準備が整うまで点火はできない」と語った。
NASAはエンジン自体の問題ではないと判断していて、マイク・セラフィン・ミッションマネジャーは29日午後の記者会見で「金曜日(9月2日)に打ち上げることができる可能性はゼロではない」と説明した。
今回の試験は、米国主導で人類を再び月面着陸させる「アルテミス計画」の第1弾。新型ロケット「SLS」で有人宇宙船「オリオン」を打ち上げ、月を周回して地球に帰還する予定だった。飛行試験として無人での実施を予定していた。(ケネディ宇宙センター〈フロリダ州〉=合田禄)
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