有毒ヒアリもビビる秘密兵器 カギは「日本のほぼ全域にいる」アリ

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米田千佐子
【動画】クロオオアリのフェロモンに触れて逃げようとし、触角をぬぐうアルゼンチンアリ=Supplementary Material for Frontiers in Physiologyから一部改変
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爆発的に増える外来種アリ、殺虫剤の防除には課題も

 人の健康や農業への悪影響が懸念されている外来種のアルゼンチンアリや有毒のヒアリに対し、「どこにでもいる」在来種アリが防除の切り札になるかもしれないという研究成果を、奈良女子大などのチームが発表した。秘密兵器は、アリの体表にあった。

 アルゼンチンアリとヒアリはいずれも南米原産で小型。アルゼンチンアリは1993年に国内で初確認後、2021年7月に奈良市、22年3月に大阪(伊丹)空港など各地で侵入が認められた。毒をもつヒアリは17年に兵庫県で国内初確認された。

 両種とも一つの巣に数百匹の女王アリがいて爆発的なスピードで増える場合があり、生息地が人の生活空間と重なり、生態系にも人の生活にも悪影響を及ぼすという。移動などが禁じられる特定外来生物に指定されている。防除は殺虫剤の散布などが一般的だが、本来の生態系への影響や時間が経った後の再侵入が課題になる。環境への負荷が小さく、長期間効く方法の開発が求められている。

 奈良女子大大和・紀伊半島学研究所の尾﨑まみこ協力研究員(67)はアリがもつ匂い物質のフェロモンが作用する仕組みを研究しており、研究チームで在来種アリのフェロモンの中から、外来種アリに効果のあるものを実験で探った。

 実験には日本在来種のクロオオアリが元々体表に持っているフェロモン35種類を使った。クロオオアリは日本のほぼ全域にみられ、住宅街にもいる。ガラス棒の先につけた丸い小さなビーズに10段階の量でフェロモンを塗り、アルゼンチンアリの触角に触れた。

外来種アリVS在来種アリのフェロモン、果たして効果は

 すると、「(Z)―9―トリコセン」というフェロモンでアルゼンチンアリが逃げた。後ろにざざっと下がり、「鼻をかむ」ようにしきりに触角をぬぐう動きが見られた。

 この時に、アルゼンチンアリ…

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