米ホワイトハウスは29日、南太平洋の島国ソロモン諸島が今月、米沿岸警備隊の巡視船の寄港を認めなかったことを明らかにした。ソロモン諸島は承認手続きが間に合わなかったと説明しているが、4月には中国と安全保障協定を結んでおり、こうした事情が影響した可能性もある。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官が29日の会見で明らかにした。カービー氏によると、米の巡視船「オリバー・ヘンリー」が給油のため、ソロモン諸島への寄港を予定していたが、ソロモン諸島が認めなかった。カービー氏は、「決定は残念だ」と述べた。船はパプアニューギニアに航路を変更し、給油したという。
一方、米海軍の病院船は29日、人道支援のためのソロモン諸島への寄港を許可されたという。
南太平洋地域では、中国が影響力を強めている。ソロモン諸島は2019年に台湾と断交して中国と国交を開き、4月には中国と安保協定を結んだ。米国は、中国が軍事拠点化しようとする動きとみて警戒。ソロモン諸島に高官を相次いで派遣するなど、関与強化を急いでいる。キャンベルNSCインド太平洋調整官らが4月に訪問したほか、シャーマン国務副長官も今月上旬に訪問し、ソガバレ首相と会談した。ソロモン諸島の米国大使館の再開も目指している。
カービー氏は29日の会見で…