「10秒だけこのままで」 恋を見守った観覧車 23年の歴史に幕

有料記事

江戸川夏樹
[PR]

 終わりが近づいていると気付いていた。でも、まだ別れたくない。

 「2人でお台場の観覧車にのりたい」と彼氏を誘った。2000年12月。大学生の時だ。

 この観覧車が頂上に来た時にキスをしたカップルは結ばれる――。友人から教えてもらったことを思い出しながら、彼氏とゴンドラに乗った。

 大学のサークルで知り合った2歳上の彼氏は、就職した後、なにかと理由をつけてデートを避けるようになっていた。

 頂上に向かう8分間、自分ばかり話していた記憶がある。「別れ話を切り出させないようにしていたのかな」。彼氏はずっと、黙ってうなずいていた。

 頂上にたどり着いた。彼氏は…

この記事は有料記事です。残り1463文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら