竜宮城が近くにある? ウミガメが毎日ぷかぷか浮かぶ港、漁師も夢中

笠原雅俊
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 ウミガメが、毎日のように海面からひょっこり顔を出す。太平洋の青い水平線の広がる高知県黒潮町の佐賀港。散歩する住民や子供たちが「あっウミガメが見えた」「竜宮城が近くにあるんちゃうか」と歓声をあげる。漁師たちもウミガメの話でもちきりだ。

 ウミガメに会えるのは、港の弁天橋から続く約150メートルほどの防波堤の先の海。日が沈む前の午後4時半ごろ、大きな岩が並ぶ海の波間に5匹ほどのウミガメがぷかぷかと現れる。目の前で、親ガメと子ガメが呼吸するように海面に顔を出してすぐ海中へ潜る。

 地元の漁師、竹中光明さん(75)は「5年ぐらい前にウミガメに気づいた。この1年は毎日、決まった時間に現れるよ」と話す。運がいい日は「ごんぼり」という岩が囲む小さな池に3匹が見えることもある。ただ、波の高い日は危険なので近寄らないという。

 むろと廃校水族館(室戸市)に写真を確認してもらうと、「アオウミガメ」とわかった。餌があると同じ海にすみつくことがあるという。

 記者も晴れた日にウミガメに会いに港に行ってみた。波が岩に激しくぶつかる海面にウミガメがスッと頭を出した。カメラを向けるがすぐに海中に消える。5分ほどの間隔で、5匹ほどのウミガメがモグラたたきのように交代で現れる。5日ほど通ってなんとかウミガメの姿を撮影できた。

 家族とウミガメを見に来た中学1年の川崎麻白さん(13)は「大きなウミガメが見えた。きれいだった」と喜んだ。

 近くの喫茶店「ニュー白浜」では、モーニングを食べにくる漁師や住民たちが、「昨日はウミガメを見たかい」「3匹見た」とウミガメの話があいさつ代わりだ。店を営む河内巳千子さん(77)は「ウミガメを見るといいことがあるとみんな話している。暗いニュースばかりの今、明るい気持ちになれるみたいですよ」と話す。(笠原雅俊)

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