中国共産党大会、習氏続投が有力な理由 明文化しなかった、ある慣習

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聞き手・冨名腰隆
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 中国にとって、5年に1度の重要な政治イベントである中国共産党大会が10月16日から始まる日程が固まりました。注目点はどこにあるのか。中国政治に詳しい鈴木隆・愛知県立大学准教授に聞きました。

 ――中国共産党にとっては20回目の党大会です。どのようなことが決まる大会になるのでしょうか。

 党大会では、まず党運営の中心となる約200人の中央委員が選ばれます。直後の中央委員会第1回全体会議(1中全会)で、党総書記や最高指導部メンバーが選出されます。人事の大きな節目であると同時に、「党の憲法」とも呼ばれる党規約を必要に応じて改正する機会でもあります。

 何と言っても、習近平(シーチンピン)党総書記(国家主席)が2期10年ごとに世代交代を進めてきたこれまでの慣例を破って3期目に入るかどうかが焦点ですが、その可能性はかなり高いとみています。

 ――どうしてですか?

 さまざまな面から考えられますが、いくつか挙げてみます。まず中国共産党のような政治体制では、政権移行期に党内ガバナンス(統治)が大きく低下し、時に混乱も生じます。2012年に当時の党総書記である胡錦濤氏から習氏へ権力を引き継いだ前後にも、権力闘争を背景に薄熙来氏や周永康氏といった大物が失脚しました。習氏は10年かけて反腐敗や統治機構などの改革を進めましたが、まだ社会や経済が安定しているとは言えず、「今はバトンタッチの時ではない」と考えているように見えます。

ルール示すのにこだわるのに…

 外形的にも、続投が前提にな…

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