【そもそも解説】1ドル=140円台、「平成不況」と違ういまの円安
1日のニューヨーク外国為替市場で円安が進み、円相場が一時1ドル=140円台をつけ、1998年8月以来24年ぶりの安値水準となった。なぜ、円安が進んでいるのか。日本の経済にとってどんな影響があるのか。Q&A形式で解説する。
Q そもそも、円安ってどういうことなの。
A 外国の通貨に比べて、円の価値が低くなることが「円安」、逆に円の価値が高くなることが「円高」だ。例えば、円相場が1ドル=100円から1ドル=110円になれば、1ドルに交換するのに110円必要になる。これは円の価値が下がっているということだから、「円安」と呼ばれる。反対に1ドル=100円から1ドル=90円になると、「円高」だよ。
Q 円安、円高はどうやって決まるの。
A たとえば、自分が持つ円を売ってドルを買う人が増えれば円安になり、逆にドルを売って円を買う人が増えると円高になる。その判断に影響を与えるものの一つが、各国の中央銀行が決める「政策金利」だ。例えば、ある国の中央銀行が政策金利を引き上げると、その国の資産に投資するために必要な通貨も買われやすくなる。逆に、災害や戦争などその国の経済状態が悪くなるリスクが出てくると、通貨が売られて安くなることもあるよ。
Q 今、円安が進んでいるのはなぜなの。
A 米国と日本の政策金利の差が広がり始めているからだ。日本の中央銀行である日本銀行は、企業や個人がお金を借りやすくするために、政策金利をとても低くしている。一方で、米国では急激に上がる物価を抑えようと、今年3月から金利を上げ始めている。金利は高い方が通貨は買われやすくて、低い方は売られて安くなる。だから3月以降、25円も円安ドル高が進んでいるんだ。
Q 最近、急に円安に進んでいるよね。
A そうなんだ。金利を上げ…

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