原発事故回避へ試される核の番人IAEA ロシア軍占領下の異例調査

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玉川透 山野拓郎 佐々木凌
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 欧州最大級の原発での事故を、回避できるのか。ロシア軍による占領から半年。国際原子力機関(IAEA)が1日、ウクライナ中南部のザポリージャ原発での現地調査に着手した。施設の安定管理に向けた一歩だが、攻撃がやむ保証は得られないままだ。

 「見たかった重要エリアは視察できたが、やるべきことはまだたくさんある」

 IAEAのグロッシ事務局長は1日、ザポリージャ原発の前で収録したとみられる動画をSNSに投稿し、こう強調した。

 AP通信によると、調査団はこの日、原発の「心臓部」ともいえる制御室や緊急システム、外部電源が失われた際に支える非常用ディーゼル発電機などが機能しているかを確認した。

 同原発は8月25日、砲撃で少なくとも2回、原発につながる送電線が途絶。非常用ディーゼル発電機が稼働しなければ、重大事故につながるおそれがあった。

2基なお稼働中 簡単に止められない事情 

 同原発では6基ある原子炉の…

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