流行追う髪形ダメ・コート不可…理不尽な校則見直し、弁護士会が提案

伊藤繭莉
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 千葉県弁護士会は、学校が生徒の生活や身だしなみについて定める「校則」について、県内の全公立中学校約360校(国立を除く)を対象に調査した報告書をまとめた。「ブラック校則」ともいわれる理不尽な規定が数多く指摘された。同会では子どもと議論して校則を見直すように提案している。

 今回の調査は、同会子どもの権利委員会が県内の全公立中学校の「校則」を、各教育委員会などを通じて収集。校則の各項目を規定した趣旨も尋ねた。

 大半の自治体が、頭髪(長さや髪形など)や服装(制服の着方や下着の指定など)、持ち物などの項目で規定があると回答した。規定には性差があったり、「流行を追うような髪形などは禁止」「中学生らしい靴を履く」などとわかりづらかったりするものがあった。

 また、「コートの使用は認めない」と過度と思えるルールや、学校外の行動についても「登下校中に買い物をしない」「夜間外出や友人宅への外泊禁止」を規定する校則もあった。

 規定した趣旨も聞いたが、リストアップした全33項目の規定の理由が、「中学生らしい身なり」「社会性を身につける」「学習に集中する」などほぼ同じものが多かったという。座長の西田祥子弁護士は、「思考停止になっている。子どもの権利を制限するだけの合理性があるのか、大いに疑問だ」と指摘する。

 また、校則調査に合わせて昨年10~12月、県内の小中高校の児童生徒や保護者、教職員らを対象に校則について尋ねるアンケートをネットで実施。190件以上の回答があった。

 「いまの校則に疑問を持っているか」という設問には、94%が「はい」と回答。校則のおかしい点については、「服装・持ち物」が38%で最多。「頭髪」(36%)、「学校生活」(14%)などが続いた。

 学校内での検査について、約7割が「実施されている」と回答。「(検査で)髪を触られたくない」「目視でもじろじろ見られたくない」「不快」などといった意見も寄せられた。

 県弁護士会では、「(憲法に照らし合わせて)全ての子どもは自由が原則だ。例外的に制約を課すのであれば、大人が説明できなければいけない」と指摘。外部の専門家の意見も聞き、子どもと定期的に校則を見直すべきだと提言した。今後、県弁護士会のホームページで公開する予定だ。

 理不尽な校則をめぐっては、文部科学省は8月、小中高校での生徒指導に関する「生徒指導提要」の改訂案を公表。校則のホームページなどでの公開を促し、社会の変化を踏まえて見直すよう求めた。見直しには児童生徒らの意見を聴くことが望ましいとした。(伊藤繭莉)

●合理性がないと報告書で指摘された校則事例

【性差がある規定】

・女子は髪を束ねる位置を耳の真ん中より下に指定する、男子は前髪を眉毛の上までにする

・女子のカーディガンの色は黒・紺のみとする。男子は不可

・男子は運動靴、女子は運動靴または黒の通学靴

【あいまいな規定】

・デザイン性の高い髪形、流行を追うような髪形の禁止

・ベルトは普通のもの

・中学生らしい靴を履く

【教育の機会を奪う規定】

・化粧やピアスなどの装飾品を身につけて登校した場合は落として(はずして)からでなければ、校内に入れない

【過度な規定】

・コートの使用は認めない

・飲み物のルールを一人でも破った場合、ペットボトルの持ち込みと自動販売機の使用を全員禁止

【学校外の行動を制限】

・校則で寄り道を禁止していないが、寄り道をしないことはトラブル防止の観点など、当たり前のことであるので指導の対象となる

・友人宅での外泊禁止

【校則の改定手続き】

・改定手続きは職員会議のみで、生徒の意思表明の機会がない