ウクライナを取材して感じたミャンマーの絶望 温度差ある世界の関心

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福山亜希
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 「おびえながら暮らすのにも限界があると知ったよ。それに、こんなにも国際社会がウクライナを支えてくれるとは、想像もしていなかった」。6月下旬、ウクライナ西部の古都リビウで会った歌手のマックス・タブリチェスキさん(48)は、そう言って前を見据えた。

 タブリチェスキさんの両親は、ウクライナに侵攻したロシア軍が支配下に置いた南部ヘルソンに取り残されていた。悲嘆に暮れ、酒量は増え、一時は愛用のギターに触ることさえできなかったが、5月から売り上げの一部を寄付するコンサートを始めた。

 ロシア占領下の街から、父親も活動を応援してくれている。ロシアによる侵攻後はスマートフォンのアプリを使って、毎晩、両親と話すようになった。「初めて、父に歌手という仕事を認めてもらえたんだ。親子がわかりあえたきっかけが戦争というのは、皮肉なことだけどね」。苦笑いを浮かべたタブリチェスキさんの顔が、今も脳裏に浮かぶ。

非常事態の中の日常生活

 ヤンゴン支局長の私はふだん、主に東南アジアのミャンマーを取材しているが、ウクライナ情勢を応援で取材するため、6月10日にリビウに入った。

 戦時下ということで身構えて…

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