今夏の猛暑、温暖化で「底上げ」 起こりやすさ240倍に
佐々木凌 関根慎一
6月下旬~7月初旬に日本列島を襲った猛暑について、気象庁気象研究所、東京大学、京都大学の共同チームは6日、地球温暖化の影響で約240倍起こりやすくなったとの分析結果を公表した。偏西風の蛇行やラニーニャ現象に加え、温暖化の与える影響が科学的に裏打ちされた形だ。
気象庁によると、6月下旬の平均気温は東日本で平年より4・0度、西日本で3・2度高く、統計を取り始めた1946年以降で最も暑かった。偏西風の蛇行により太平洋高気圧が日本列島上空まで張り出し、「ラニーニャ現象」でフィリピン付近の水温が高かったことが日本上空の高気圧を真夏並みに強めたほか、「地球温暖化の影響もある」(気象庁気候情報課)とされる。
共同チームが分析に用いたのは「イベント・アトリビューション(EA)」と呼ばれる手法だ。シミュレーションを繰り返し、実際の気候と、温暖化がないと仮定した仮想の気候を比べ、異常気象の起こりやすさを計算した。
6月21日~7月2日にかけ…