「城泊」仕掛け人が明かす秘宝の活用法 強気の値決めでも人気上々

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森下香枝
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 アフターコロナを見据え、観光客誘致の起爆剤としての「城泊」が全国で注目されている。

 「城泊」とは文字どおり、ホテルのようにお城に泊まる試みだ。観光庁観光資源課によると、同庁が公募した「歴史的資源を活用した観光まちづくり事業」(経費のうち最大2千万円を国が負担)に対し、約70の地域から応募が寄せられ、7月末に9事業が選ばれた。

 選ばれた事業は、大洲城(愛媛県大洲市)の天守閣に泊まれる「城泊」を2年前から国内で初めて実施している大洲市の城下町ブランディング事業、大分県臼杵(うすき)市が取り組む大友宗麟(おおとも・そうりん)ゆかりの臼杵城・城泊などだ。

 「アフターコロナを見据え、いろんな地域から城泊など歴史的資源の活用事業の問い合わせが増えている。地方にとってお城は外国人観光客を誘致できるサステイナブル(継続可能)な宝です。官民をあげて城を盛り上げていきたい」と観光庁観光資源課の担当者は言う。

 今回の事業のほかにも、観光庁はすでに城泊を実施している大洲城や平戸城(長崎県平戸市)の支援を皮切りに、今年で築城から400年を迎える福山城(広島県福山市)、天守閣で結婚式が挙げられる岸和田城大阪府岸和田市)、国宝・松江城松江市)、中津城(大分県中津市)、津山城(岡山県津山市)、丸亀城(香川県丸亀市)、岩村城(岐阜県恵那市)、綾城(宮崎県綾町)などを活用した城泊事業に対し、専門家を派遣、セミナーなども繰り返してきた。

城泊で味わう殿様気分

 4層4階にある木造天守閣(復元)を1泊約100万円で貸し切りにする「大洲城キャッスルステイ」はコロナ下の2020年7月に開業した。

 仕掛けたのは、歴史的建造物を宿泊施設、結婚式などの施設に再生するコンサルティング事業を手がけているバリューマネジメント(本社・大阪府)だ。

 同社は18年に大洲市などと連携協定を結び、伊予銀行などが出資したファンドから資金を調達。城泊だけでなく、城下町に点在する武家屋敷や町家なども宿泊施設として改修し、「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」としてよみがえらせた。同社社長の他力野淳(たりきの・じゅん)氏がこう語る。

 「海外では泊まれる城が多いが、日本の城はこれまで保全一辺倒だった。民間と組んで保全しながら有効活用し、町に人が訪れるきっかけをつくるという発想がなかった。歴史的資源をマネタイズすれば、地域創生に貢献できる」

殿様気分のラグジュアリー体験 3千万円出した富豪も

大洲城、平戸城の「城泊」の仕掛け人たちが語る殿様気分を味わう「値決め」のコツとは? 世界遺産の姫路城にはふるさと納税で3千万円をポンと寄付した富豪が一日城主に……。記事後半では豪華絢爛(けんらん)な城泊の詳細をリポートします。

 城泊ではどのような体験ができるのか。

 大洲城ではまず、お風呂など…

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