工業化や量産化というと、どこか人工的で冷たいイメージがありはしないか。でも、フランスの建築家ジャン・プルーヴェ(1901~84)の大規模展を見ると、それが美しさや高揚感を伴うこともあることがはっきりと分かる。
アール・ヌーボーの工芸家エミール・ガレを名付け親に持ち、20世紀初年に生まれたプルーヴェは、時代の申し子のような活動を見せる。
金属工芸からスタートした後、次第に家具や建築に関わるように。展覧会前半は椅子やテーブルといった家具が中心だが、造形が優れているというだけではない。金属部材を使ったシンプルな家具が多いが、力がどのように伝わって支えているかが一目で分かる構造の魅力を備えている。
特にチェアNo.4や「メト…
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