バイオリン教わるはずだった先生との「再会」 原爆が奪った幻の青春
中野晃
【兵庫】宝塚市内の老人ホームで暮らす岡辺好子さん(93)はこの夏、ひとつの新聞記事に目がとまった。広島女学院高等女学部でバイオリンを教わるはずだった「パルチコフ先生」。消息を80年ぶりに知り、戦争と原爆で失われた「幻の青春」の記憶がよみがえった。
朝日新聞で7月31日~8月4日に連載した「希望の音色 被爆バイオリン」。その2回目を読み、岡辺さんは思わず声をあげた。バイオリンの持ち主で、広島女学院の音楽教師だったセルゲイ・パルチコフさんを巡る記事だった。
「広島で先生も原爆を生き延びはったけど、私と同じように苦労しはったんや」
パルチコフさんは1941年…
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