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大宮工業高校生が自作の装置で気候データを収集 熱中症対策に活用へ

西田有里
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 猛暑日が続いた今年の夏。埼玉県立大宮工業高校(さいたま市北区)では、生徒たちが3Dプリンターなどを駆使して自作した装置で気温や湿度などのデータを集めている。秋からは集めたデータを解析し、熱中症対策にいかす方法を考えていく。

 作ったのは高さ1・5メートルほどの棒の先端に長さ20センチほどの箱がついた「環境測定装置」。もとは県環境科学国際センターが、2020年度から開発を進めてきたものだ。

 大宮工高の電子機械科3年生の12人が授業の一環で、センターの装置を見ながら自分たちで図面を考えて作った。3Dプリンターで作った部品や市販の材料を組み合わせ、1カ月半かけてセンターのものと同様の機能を備えた装置を完成させた。

 温度や湿度、日射や建物からの輻(ふく)射熱を計る機能をを備えた百葉箱のような装置だが、内部にはマイクロコンピューターも搭載。計測したデータから熱中症対策などに用いられる「暑さ指数」をはじき出し、リアルタイムでクラウドに送信できる。

 生徒たちは計7台の装置を作り、他の県立工業高校にも設置。7月上旬から稼働させていて、9月までデータを集める予定だ。

 8月16日には、気候学を専門とする県環境科学国際センター職員の大和広明さんから、集めたデータの見方を教わった。

 地点ごとのデータを比べると、南から吹く海風の影響で県南から暑さが和らいでいくことが分かった。例えば「新座で暑さ指数が下がったので、川越も間もなく下がる」といった予測に生かせるのだという。

 生徒たちは大和さんと意見を交わしながら、「各地点で得たデータと熱中症患者の数などを10月以降に比べたい」と話していた。それらに実際に相関関係があるか確認し、データの発信方法についても考えていく予定だ。(西田有里)