創業95年の食堂を襲ったコロナ 閉店の決意を翻させた常連客の一言

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羽賀和紀
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 一番人気はスプーンを刺すとふわっと割れるオムレツがのった「オムカレー」。宮尾登美子の小説に登場する創業95年の老舗食堂も、新型コロナウイルスには勝てなかった。高知市郊外にあった「十一(といち)屋」が、7月末に閉店した。

 夫婦で切り盛りしてきた20席ほどの食堂。学生や近所の人たちの胃袋を満たしてきた。うどんだしをベースにスパイスを利かせたカレーが評判だった。ライス大盛りの無料サービスにひかれ、近くの高知大生も多く通った。

 1927(昭和2)年に市中心部に近い菜園場(さえんば)で創業した。昭和初期の高知の花街が舞台の宮尾登美子の長編小説「櫂(かい)」にも登場した。その後、はりまや町などに移転を重ね、2016年から鴨部高町で営業していた。せいろで提供する蒸しずしも好評だった。

 そんな人気店も、新型コロナ

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