担い手不足の農業 障害者に活躍の場 岐阜県が「農福連携」を加速へ

松永佳伸
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 岐阜県は、担い手不足に悩む農業分野に、収入や生きがいを求める障害者らの活躍の場をつくる「農福連携」の取り組みを加速させる。4年後の就労者数の倍増や、連携の入り口となる農業者と福祉事業所の「マッチング」の機会を約4倍に増やすなど、意欲的な目標を掲げる。知事をトップとする全庁一丸の新たな会議を立ち上げ、地域共生社会の実現をめざす。

 司令塔役となる「ぎふ農福連携推進本部員会議」を設置。6日の初会合には、古田肇知事ら22人が出席し、全庁一丸となって農福連携に取り組むことを確認した。

 県は4月、「ぎふ農福連携アクションプラン」を初めて示した。取り組みとして、理解の促進と認知度の向上▽人材育成▽マッチングの強化▽労働環境の整備▽販路拡大の五つの方針を掲げる。農業生産者による障害者の雇用のほか、障害者施設への農作業の委託、障害者施設や特例子会社の農業参入などを想定する。

 県が2018年に実施した農業法人向けの調査では、障害者を受け入れていたのは11%にとどまった。受け入れていない理由として、「体制が整っていない」や「考えたことがない」が多かった。

 一方で、37%の農業法人が「受け入れに興味がある」と回答。「農福連携の情報提供を受けたい」「人手が足らない時期に福祉事業所のサポートを活用したい」という意見が目立った。

 これに対し、福祉事業所向けの調査では、「農業への参入を希望する」と回答した事業所は38%。参入への課題としては、収益性のほか、人材や販路の確保が多く挙がった。

 県は、農業分野における障害者の就労者数を21年度末の421人から25年度末には718人へ、農業者と福祉事業所のマッチングを20年度末の38件から25年度末には138件に増やす――などの目標を掲げる。(松永佳伸)

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