海のごみ生かし環境守ろう 雑貨・アクセサリー作家の安藤妃史さん

勝部真一
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 色とりどりの小片や粒がキラキラと輝き、「ふるさとの海」を感じさせるボールペン。詰め込まれているのは、波にもまれて角の取れた「シーグラス」と呼ばれるガラスの小片やプラスチックの破片だ。

 「きれいですが、元々は海に廃棄された『ごみ』。ゆっくりでも環境への思いが伝わっていくとうれしい」。安藤妃史さん(64)は、生まれ育った和歌山県美浜町三尾の海岸でそれらを拾い集め、海への思いとともに、ボールペンに詰めている。

 アクセサリーを本格的に作り始めたのは、数年前に故郷に戻ったときからだという。三尾で生まれ、高校を卒業後、大阪の学校に進学し結婚した。子どもたちも独立し、母親が高齢になったこともあり帰郷した。それまで沖縄旅行に、「はまっていた」というが、「豊かな自然はふるさとにもあった。心も体もUターンしました」。

 子どものころから親しんだ海岸はいまも美しかったが、以前はほとんど見かけなかったプラスチックのごみが多くなっていることにショックを受けた。

 三尾に戻る直前まで、約20年間、保育士だったこともあり工作は得意で、趣味でアクセサリーやオブジェを作っていた。シーグラスやプラスチックの粒をボールペンの飾りに使うことを思いつき制作を始めた。

 昨年1月にアクセサリーの製造販売を手掛ける「海猫屋」を立ち上げた。ワークショップも開催し、参加者と一緒に海でごみを回収し、ボールペンやアクセサリーを作る活動もしている。

 今年7月には東京ビッグサイトで開催された「国際サステナブルグッズEXPO夏」にも出展し、大手雑貨店、大手百貨店などから注目された。「シーグラスボールペンの制作とSDGsへの関心の高まりのタイミングが合った。環境を考えることで、海のごみを減らすことができると思う」(勝部真一)